一般社団法人 日本写真文化協会とは

 一般社団法人 日本写真文化協会は、1948年(昭和23年)に「会員の知識、技術および写真芸術の向上と写真を通じて日本文化への貢献」を目的として、文部省より正式に認可を受け設立された団体です。

 平成30年4月30日現在の会員は、全国の営業写真家(主として写真館営業者)約1,984名・賛助会社21法人で構成されており、日本最大級のプロ写真家集団です。
当協会の目的である「技術向上」「一般参加」「写真文化」を基本理念に、時代に則した事業を展開しております。

ご挨拶

一般社団法人 日本写真文化協会
会 長  田 中 秀 幸

 一般社団法人 日本写真文化協会は全国の写真館を中心としたプロ写真家の団体です。
 わが国における写真家の祖として、1862年(文久2年)上野彦馬が長崎に、下岡蓮杖が横浜に開業してから、現在に至るまで約160年。日本中で数多くの写真館がその歴史を継承して参りました。
 写真館の存在意義は、まさに地域や家族のアーカイブを担う役割です。それは、日本の文化、風俗、習慣と深く関わっています。むしろ一体となっていると申し上げたほうが正しいかもしれません。婚礼、初宮参り、七五三、卒業・入学、成人式、そして それぞれの家族の行事など。日本の民族衣装である、和服を身にまとい、お参りをし、写真に残し、会食をする。伝統行事の中に写真はしっかり組み込まれています。
 写真館は日本の文化を尊重し、それを守り、発展させる大切な役割の一端を担っています。そんな自負心をもって、新たな歴史を築いて参りたいと存じます。時代の変遷の中で、変わっていくものがあるのは必然ですが、日本の文化、そして私たち日本人の心は変えてはいけない、何にも代えがたいものです。

基本理念

  • 会員の写真技術・写真芸術向上のため、著名な写真家技術者を招いての、定期的な技術講習会や、写真コンテスト等の事業を行う。
  • 写真文化の普及拡大を図るため、広く一般が参加できる事業を行う。
  • ギャラリー運営による写真文化の向上と、新人写真家の育成。

協会の活動

  1. 毎年6月1日の「写真の日」を記念して講演会を実施。
  2. 機関紙「写真文化」を隔月発行。
  3. 一般参加を目的とした写真コンテスト「全国展」を毎年実施。作品集発行。
  4. ポートレートギャラリー(一般公募)の運営。
  5. 写真の技術向上のための講習会「夏期写真大学講座」を毎年実施。
  6. 写真のコレクション及び関係資料の収集。
  7. 国内外の写真団体との交流。

沿革(概要)

平成26年4月30日現在

 当協会は、戦後の荒廃した社会の中、「写真を通じて日本文化の進展に寄与する」ことを目的に活動を開始。昭和23年12月9日付けで文部省より社団法人の認可を受け、平成23年5月2日、新公益法人制度に基づき、一般社団法人へ移行し現在に至る。

総会

 昭和24年5月21日、22日の2日間、全国から100名余の会員が出席し、神奈川県箱根湯本の三昧荘にて第1回総会を開催した。初代会長に東條卯作(東京)が就任し、当初の会員数は1,000名を越え、その後7,000名を超えるまでに達した。

日本写真会館

 東條卯作会長の土地提供で昭和25年4月26日、日本写真会館落成式。昭和48年8月30日、5階建ての現会館に建替え、落成式。5階1フロアーを協会で使用。平成14年7月、一部を改装してギャラリーを開設した。

活動状況

  1. 「写真の日記念講演」・・・・・6月1日の写真の日を記念して、毎年全国展フォトコンテストの表彰式後に同じ会場で講演会を実施、会員のみならず一般の写真愛好家にも告知している。
  2. 写真を通じて社会に貢献した方、並びに団体を表彰・・・・・全国会員・役員からの推薦で、毎年6月の定時総会で紹介・表彰を行っている。
  3. 全国写真展覧会(全国展フォトコンテスト)の実施・・・・・昭和27年第1回を開催。当コンテストはプロアマを問わず、内閣総理大臣賞1点・文部科学大臣賞2点が下付され、全国の写真愛好家に、写真の素晴らしさや写真の価値を伝え続け、毎回図録を発刊している。平成28年第63回、学生(高校生)の部を新設した。
  4. 日本肖像写真コンテストの実施・・・・・平成24年に写真館創業150年を記念し、下岡蓮杖賞を最高賞として第1回を開催した。第3回より全国展フォトコンテストに併合し、写真館の祖、下岡蓮杖翁の功績を末永く顕彰して行く。
  5. 夏期写真大学講座の実施・・・・・写真関係者の子弟・従業員を主体に、技術の継承・向上を目的に昭和39年第1回を日本青年館にて実施。平成8年から東京工芸大学に会場を移し、即戦力に結び付く講義・実習を実施している。
  6. 機関誌「写真文化」の発行・・・・・昭和24年2月10日、日本写真文化協会会報を発刊。会員相互の情報の共有化を図ると共に、当協会の活動を写真愛好家に紹介し、写真館で撮る写真の魅力や、写真館の写真の意味を伝え、写真文化を継承し、広く伝播している。
    なお、平成26年10月より隔月発刊とした。
  7. ポートレートギャラリーの運営と企画写真展の実施・・・・・平成14年7月3日、写真文化活動の更なる推進の一環として、日本写真会館5階にギャラリーを開設、広く一般公募し、無料にて公開している。また、知名度の高い写真家による作品展や、時代性に富んだ写真展なども開催し、写真を見せる喜びと、観る感動を提供。そして、年に数回当協会主催の企画展を開催し、ポートレートギャラリーからのメッセージを発信し続けている。

行事・写真展

  1. 「源流から未来へ・目で見る100年写真館展」
    昭和61年2月21日~26日、文化庁・朝日新聞の後援で、東京・有楽町マリオン内の朝日ギャラリーで開催した。
  2. 「創立50周年記念式典、記念事業」
    平成10年8月26日、東京新宿・京王プラザホテルにて520余名の参加で、式典・講演会・祝賀パーティーを開催。併せて特別写真展を富士フォトサロン他で実施した。
  3. 「写真歴史展・日本の肖像」
    平成11年12月2日~31日、恵比寿の東京都写真美術館で開催。全てオリジナルによる貴重な史料的価値の高い写真約700点を展示した。
  4. 「セバスチャン・サルガド写真展」
    平成14年8月31日~10月20日、朝日新聞社との共催で、文化庁や(社)日本写真協会、フランス大使館他の後援を得て、東京渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催した。
  5. 「尾内七郎・安河内羔治 ポートレート二人展」
    平成14年9月13日~19日 東京・富士フォトサロン、同9月23日~10月3日 大阪富士フォトサロンの2会場で開催した。
  6. 「ザ・プライド・オブ・ジャパン/この国へのまなざし写真展」
    平成17年8月20日~9月4日、恵比寿・東京都写真美術館で開催。この特別企画展は、当協会会員4,000人が全国の風景や行事を撮影し、この中から、203人による333点を展示した。
  7. 平成20年、日本写真文化協会創立60周年記念として「第1回お国自慢シリーズ“わが町の有名人”写真展」、平成21年にはポートレートギャラリー5周年記念で、「第2回お国自慢シリーズ“わが町の大家族”写真展」また、平成24年には、同ギャラリー開設10周年記念として、「第3回お国自慢シリーズ“わが町の顔”写真展」を当協会ポートレートギャラリーにて開催した。

発刊物

  1. 「肖像写真制作技術」
    昭和54年3月、有賀長敏(東京銀座有賀写真館)著により発刊。夏期写真大学講座テキストに活用した。
  2. 「写真館のあゆみ・日本営業写真史」
    平成元年6月1日、当協会40周年記念事業として発刊。A4判308ページの総アート上製本。日本の写真館の歴史を文字と写真で収録した。
  3. 「文協50年のあゆみ」
    平成11年6月24日、(社)日本写真文化協会50周年記念として発刊した。
  4. 「日本の肖像」
    平成11年6月24日、東京都写真美術館にて開催した同写真展の図録として発刊した。
  5. 「尾内七郎・安河内羔治ポートレート二人展」
    平成14年9月12日、東京・大阪・富士フォトサロンにて開催した同写真展の図録として発刊した。
  6. 「ザ・プライド・オブ・ジャパン」
    平成17年8月20日、東京都写真美術館にて開催した同写真展の図録として発刊した。
  7. 「ポートレート ライティング」
    ポートレート写真の基本的なライティング名称の検討委員会を設立し、平成19年11月1日、肖像写真の基本的なライティング用語の日米統一とその解釈をまとめた冊子を発行した。
  8. 「お国自慢シリーズ第1回“わが町の有名人”」
    平成20年日本写真文化協会60周年記念として開催した写真展の図録を発行した。
  9. 「お国自慢シリーズ第3回“わが町の顔”」
    平成24年ポートレートギャラリー10周年記念として開催した写真展の図録を発行した。
  10. 「小熊義人・小熊和子写真集」
    平成26年6月19日小熊基金を基に、小熊和子(新潟県越前市小熊写真館)編著により、ご夫妻の写真集を発刊した。

役員一覧
令和5年6月26日~令和7年総会まで(監事は令和9年まで)

会 長田中 秀幸
副会長池淵 俊雄
小林 一友
橋本 信昭
武藤 芳行
石黒 晋
常任理事安達 義博
伊藤 武博
植村 栄一
大内 敬造
隈川 英孝
武智 忠広
千葉 浩道
中川 英一郎
山本 章夫
理 事青木 文男
赤澤 啓介
阿部 貴彦
石毛 良二
伊東 一平
木田 陽子
佐藤 泰博
渋谷 良正
杉野 仁孝
髙橋 正明
田代 充
仲嶺 真弥
林 隆昌
原田 辰之
東埜 正信
藤井 大輔
堀 恵介
柳下 勉
吉峯 慎一郎
渡辺 和男
監 事荻島 孝之
佐藤 幸治

事業概要

その他

写真著作権について

 著作権法は、著作物を「思想または感情を創作的に表現したものであって文芸・学術・美術または音楽の範囲に属するものをいう」と定め、写真も著作物に含まれます。
一般に、プロ写真家は、主題の決定、複写体、構図、カメラアングル、採光、シャッターチャンスなどの選択や調整に独創的な工夫をしています。営業写真家はそのほかに原版修整や、現像焼付のプロセスにおいて独創的な工夫をしており、写真館の写真も著作物に包含されます。パスポートや受験用写真であっても、顔立ちによって照明を工夫したり、表情の誘導やシャッターチャンスに創意工夫がされていれば、著作物として認められます。

 著作物の著作者には著作権が認められ、法的に保護されます。著作権には、財産権としての権利と著作者人格権とがあります。財産権として複製権、展示権、貸与権その他が認められており、著作物を自ら使うだけでなく、他者の利用によっても著作権の経済的利益が確保できるのです。
著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保護権などがあり、同一性保護権は、著作物の題名や内容が著作者の同意なしに複変されたり、トリミングなどにより部分的な使用をされないように定めたものです。
複製権は著作権の根幹をなす権利で、委属を受けて有償で制作した写真であっても、著作権は委属者ではなく著作者にあり、複製の権利は著作者が保有します。著作者に無断で複写・複製することは、著作権法違反であり、罰則の対象になります。写真館では一般に原版の譲渡をしませんが、その理由の一つとして複製権保有があります。そのほか、色調や濃度、トリミングなど、品質を確保し、責任をもつため、自らの複製にこだわるという理由もあります。
ただし、原版譲渡も含め、財産権としての著作権は譲渡が可能です。譲渡希望者は、作品ごとに著作権と契約する必要があります。

著作権主要関係団体

文化庁文化部著作権課
 〒100-8959 東京都千代田区丸の内2-5-1
 TEL: 03-5253-4111
公益法人 著作権情報センター(CRIC)
 〒164-0012 東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー22階
 TEL:(代表) 03-5309-2421  (著作権相談専用) 03-5333-0393
一般社団法人 日本写真著作権協会(JPCA)
 〒102-0082 東京都千代田区一番町25JCIIビル304
 TEL: 03-3221-6655