2023年3月1日

七五三についてのQ&A

費用はどのくらい? 何にいくらかかる ?

 七五三では、主に「神社への参拝」「記念写真撮影」「会食」などが行われています。服装やヘア・メイクなどの準備もあり、それらに伴う費用も様々です。とくに「服装」「記念写真撮影」「会食」については、ご依頼先にお問合わせてください。「記念写真撮影」は、撮影プランも出張あり・なし、貸衣装あり・なし、参拝時期とは異なる時期に撮影する「前撮りプラン」など様々あります。地元写真館や身近な写真館などにお問い合わせいただくことをお薦めします。

 なお、「神社への参拝」では、拝殿での拝礼のほかに、参拝者の希望に応じて神様がいらっしゃる本殿でのご祈祷も行われています。その際に神社に納める「初穂料(はつほりょう)」は5千円前後から1万円前後となります。ホームページなどでご確認すると良いでしょう。

いつ頃、どんなことをするの?

 「祝い日」は正式には11月15日とされていることから、毎年11月に集中する傾向にありますが、現在は11月と限らず年明けの1月から2月に地元の氏神の大祭の機会に行ったり、北海道などの寒い地域ではその年の9月から行われています。行うことは、神様への参拝。子の成長を祝うとともに今後の健やかな成長を神様に祈ります。

 もともと、七五三はその子の誕生日に地元の氏神様に参拝、祈願するお祝いでした。現在は様々な実情を踏まえ、11月15日または11月中に行わなければならない、というわけではなくなりました。ご家族のご都合、参拝先の神社やお寺の都合にあわせて日程を決めることをお勧めします。

 江戸時代は衛生・医療環境により、人々にとって子の健やかな成長は切実な願いでした。そのため、成長の節目を迎える際に、わが子の成長の喜びを祝うとともにさらなる健やかな成長を神様にお祈りしたことがはじまりでした。                                     

 ところで、「なぜ11月15日なのか?」ですが、江戸時代に始まったとされる七五三は、旧暦で何事にも吉とされた15日、そして氏神様に収穫を感謝する11月にあわせて行われるようになり、さらに明治の新暦採用を機に正式に七五三の「祝い日」は11月15日とされました。

対象年齢、参加する人たちの範囲ってどこまで?

 男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いします。江戸時代は旧暦の「数え年」で行っていましたが、現在は「満年齢」「数え年齢」どちらでも行われています。

 3歳のお祝いは「ヒモオトシ」「オビムスビ」といい、いままで着けていた紐を解いて初めて帯を締める儀式と、これまで剃っていた頭髪を伸ばし始める「髪置き」儀式を室町時代から行っていました。

 男の子5歳の祝は、袴着(はかまぎ)、着袴(ちゃっこ)ともいい、初めて袴をはく儀式を行います。女の子7歳の祝は、もとは女児のみの「帯解き」の祝いが現在にも至っています。しかし、いずれも地域によっては様々なゆかりがあり、男女ともに祝うところもあります。なぜ七五三の奇数なのか?という点ですが、奇数を「陽の数」として尊ぶ中国思想によるものという説があります。

 参加する人たちの範囲は、その子の健やかな成長を願う「ご家族」ということになりますので、ご両親と兄妹、あるいはご両家の祖父母なども加えた皆さんが参加できるお祝い事といえるでしょう。

和装と洋装とか和装の服装、そのほか小道具や飾りはありますか

 江戸時代から伝わる神事ゆえ、参拝には和装が好ましいとされてきました。しかし、現在は移動や会食などを控え動きやすい洋装を選ぶご家族も少なくありません。また、写真撮影のみ別の日に洋装で行うご家族もいます。ご希望に合わせてご検討ください。

 ただし和装の場合、伝統にのっとった多種多様な服装、小道具があります。女の子の場合は髪飾り、帯、扇子、履物。男の子の場合も紋付羽織・紐、扇子、袴、雪駄などがあります。本格的な和装をご希望の場合は、経験と知識のあるところに依頼して古式ゆかしい素敵な記念写真を残すことをお勧めします。なお記念写真を撮影する写真館では、七五三関連の飾りや小道具を備えているところもありますので、事前にお問い合せてください。 洋装の場合は、男の子、女の子でとくに規則はありません。「神様にお詣に行く服装」に相応しい服装であれば良いでしょう。

お父さんやお母さん、そのほかご家族の服装にきまりはありますか

 ご家族の気持ちが大切。七五三は神事ですので、対象となるお子様とご家族が正装であることが第一。全員が和装、洋装などに統一する必要はありません。お父さんはスーツでお子様とお母さんは和装~が昨今の傾向ですが、全員洋装というご家族も珍しくありません。

作法とかマナーなど、ありますか

 神社参拝、和装、そして写真撮影の3つで、作法やマナーがあります。以下に3つに分けてポイントをまとめました。後々になって後悔しないためにも、ご確認ください。

 ①神社参拝 / 作法やマナー

 鳥居前から本殿まで~神様の敷地に入る前にある鳥居で一礼、参道の真ん中は神様の通り道である正中(せいちゅう)は通らず、行き/帰りともに端(はし)を歩いて進むこと。手水舎(てみずや)で一杯の柄杓(ひしゃく)水での手・口のお清め、拝殿では一礼・賽銭(さいせん)~二礼二拍手~祈願~一礼。ご祈祷を受ける際は、申し込みと同時に「初穂(はつほ)料」を「御初穂料/初穂料」と明記した熨斗袋(のしぶくろ)に納めます。神社によっては金額を明示しているところもあります。コート・靴を脱いで案内に従い、控室、拝殿へと進みご祈祷に臨みます。

 なお、お寺での参拝方法は以下の通りです。正門前で一礼または合掌後、敷居を踏まずに境内へ~手水場で右手で柄杓水を左手に水をかけ、左手で柄杓水を右手にかけ、右手に持ち替え柄杓水で口をすすぐ~本堂で賽銭・香炉(こうろ)がある場合はご焼香(しょうこう)・合掌~します。

 ②神社参拝 / 和装の際の作法やマナー

 事前の飾り・着付けが必要な和装では、神社参拝と記念写真撮影を別の日に行うご家族が沢山あります。記録として残る「写真撮影」を行う際は、和装としてのきまりを守りつつ、「記念写真」として素敵な写真を残すことが最良の準備が必要です。女の子の髪飾りなども含めた「和装着付け・飾り」、そして和装写真撮影のための「和装振付け」、それぞれに決まった「かたち」があるので、事情に明るい依頼先にご相談することをお勧めします。もちろん、どちらの事情にも明るいところもありますので、お尋ねください。

 ③神社参拝 / 写真撮影のマナー

 本殿でのご祈祷は「神事」ですので、写真・動画の撮影は慎みましょう。また参道の正中(せいちゅう)から本殿を撮る行為は、神様を真正面からレンズを向ける行為となりマナーに反する行為となるのでご注意ください。そのほか境内(けいだい)では様々なスナップ写真を撮る機会があります。神社やお寺によっては「撮影禁止エリア」を設けているところもありますので、事前にご確認ください。

 さらに気を付けていただきたいことは、他人を写さないこと。七五三シーズンの11月、神社やお寺は多くの参拝客で賑わいます。スナップ写真を撮る際は、ほかの方々も一緒に写さぬよう、一声かけるなど、周辺の様子を配慮して写真を撮るようにしましょう。

七五三詣り 神社とお寺

 本来はその子の誕生日に氏神様に参拝、祈願するお祝いだったことから神社が一般的でした。(2参照)しかし、お寺でも七五三詣り、ご祈祷を行っているところは沢山あります。親しみのあるところ、ご縁のあるところなど、ご家族にとって最良のところを選んでいただければ、神社でもお寺でも良いでしょう。

写真館を選ぶ時のポイントは?

 ご家族揃ってご希望通りに「やりたいこと」ができ、さらにご満足できる記念写真を残せることが一番ですね。「やりたいこと」を優先するか、スケジュールを優先するか、そして費用も念頭におきながら、希望に沿った対応ができる写真館選びが良いでしょう。
 記念写真撮影も大切な思い出のひとつ。神社でのスナップ撮影、スタジオで撮った家族写真、どれもご家族にとってはかけがえのない思い出。そんなご家族に寄り添い思い出づくりのお手伝いをしてくれるのが写真館です。
 では、良い写真館をどう見つけたらいいのでしょうか?それはご利用するご家族がご満足できる否かにより、簡単にお応えすることは難しいことです。
 ただ一つ、判断の目安として挙げられることは、写真館という職業を巡る様々な資格や認定証、受賞歴などでしょうか。国家検定の「技能検定」、フォトコンテストの受賞歴、弊協会が実施している「夏期写真大学講座」のような歴史的研鑽の積み重ねの末に生まれた和装着付け・振付、そして撮影の技能プログラムの修了認定、個人情報保護を目的としたPマーク(プライバシーマーク、経済産業省指導の元運用開始された個人情報保護に対する認定制度、一般財団法人日本情報経済社会推進協会)やPSMS(フォトセキュリティマイスターシステム、協同組合日本写真館協会の自主的な個人情報保護に関する資格認定制度)の認定、さらに写真の撮影者を特定できる写真著作権者ID(写真著作権の保護を目的とした著作者に附番されたID、一般社団法人 日本写真著作権協会が管理)の有無などがあります。ホームページで作例写真とともに、そうした資格や認定書、プロフィールなどもご参考にすることもお奨めします。